【労災】建設現場における挟まれ事故

平成14年11月26日 福岡地裁小倉支部判決

元請け会社の指揮監督を受けていた下請会社の被用者である作業員の過失により、マンホールの鉄蓋に右手指を挟まれ、右示指遠位指間関節の離断等の傷害を負ったとして、元請け、下請け両会社に対し、使用者責任に基づく損害賠償を求めた事案

 

 

結論

下請け会社に546万1161円の支払いを命じた。

元請け会社に対する請求を棄却した

 

 

解説

1 争点

本件の争点は、①下請け会社及び作業員に不法行為が認められるか ②元請け会社に指揮監督関係がみとめられるか ③被害者にどの程度の過失があるかである

 

2 裁判所の判断

① 下請け会社及び作業員に不法行為が認められるか

被害者は下請け会社の作業員が本件鉄蓋を持ち上げ、被害者がその下にフタワッシャーを設置する作業を共同でしようとしていたところ、本件鉄蓋の総重量は217キロあり、鉄蓋が落下すれば被害者がその下に差し入れた手を負傷し、手指を欠損する危険があるから、作業員は鉄蓋が落下することがないように鉄蓋を安全に保持するべき義務があったにもかかわらずバールで持ち上げるという不安定な方法を用いたために鉄蓋を落下させて被害者に傷害を負わせた

→被害者に対する不法行為責任を免れない

 

② 元請け会社に指揮監督関係がみとめられるか

元請け会社と下請け会社の間に専属的な下請け関係はなく、本件日々の作業内容や作業員の資格等はO会社のPが中心となって管理し下請会社の作業員に対する作業内容や安全上の注意事項の指示は、もっぱらO会社のNが行っていた。
元請け会社は下請け会社の作業員に現場で指示を与えたり、その作業方法を直接間接に指示することは無かった。

→元請け会社は使用者責任までは負わない

 

③ 被害者にどの程度の過失があるか

被害者はフタワッシャーの使用方法を田津寝て確認しなかった、本件鉄蓋はそれまでにない大型のものであるからバックホウ等の建設機械を使用するか鉄蓋を分解するべきことを認識しながら安易に鉄蓋の下に手を入れた。鉄蓋とマンホールの間に桟木をかませるなどの措置をとっていなかった。

 

→これらの事情から被害者の過失が50%認められる。

 

 

コメント

本件は、元請けの責任については認められませんでしたが、元請けが作業内容や安全上の注意事項の指示を行っていたような場合には元請けの責任も認められると考えられます。

 

また、本件ではO会社に請求した場合には使用者責任が認められた可能性が高いと考えられます。

 

また、本件では、被害者の過失も50%認められています。作業内容によって被害者の過失も大きくとられる場合がありますので、個別の作業内容について弁護士に相談するべきでしょう。

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